中央大学から世界へ!の日記

人間は己の才能を活かし、役割を果たすために生まれてきた。 世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのかと問うてはならない。 ひたすら進め。

美しい星 三島由紀夫

読了。

面白さ的には普通かな。

アホが天才を論評するなんて不遜だけど、正直、俺にとっては可もなく不可もなくでした。

それにしても、三島の描写は緻密すぎて舌を巻く。例えばこれ。

 

【広げられた鋏は、一つの支点を中心にして末ひろがりに対蹠的な空間を形成し、人の手中にありながら容易に世界を二分して、おのおのの空間にその方角の山や湖や都会や海までも包摂するのに、ひとたび鋭い金属的な音を立ててそれが閉じられると、広大な世界は死に絶えて、切り取られた一枚の白紙と、奇怪な嘴のような器具の形と、それだけしか残さない】

 

まじビビるよね。

 

三島の性格は、友人の美輪明宏曰わく【ものすごく神経質】だったとのこと。

三島本人も【私は感受性が強すぎるのが欠点だ】みたいなことを何かの本で言ってたからね。

 

超神経質で感受性が強すぎないど、あれだけの緻密な描写はできないだろうな。幼少の頃から国語辞典を毎日読んでいたっていうし、教養も桁違いだから、適切な言葉やレトリックがすぐに浮かんでくるんだろう。

 

着物、色彩、船舶、歴史、動植物、社会科学、自然科学、その他諸々、教養の幅が甚大すぎてちょっと引いてしまう(笑)

 

また、基本的に同義語でも同じ言葉は使わないね。必ず類義語で言い換える。文章読本に【私は小説を書く際に気品と格調を大切にしている】とあったけど、分かる気がする。

同じ言葉を近傍には絶対使わない。同じ言葉を同一使用すると文格が落ちるからね。【他の言葉を知らんのかい!】って、ツッコまれちゃう。

 

三島文学の通奏低音になってるのは間違いなく【美】。完全な耽美主義者。

 

三島の本は、最初の頃は難しくて、調べることが多すぎてイライラすることが多かったけど、10冊近く読んだらスピードも上がって、文意もだんだん理解できるようになってきた。

 

今度は超大編【豊饒の海】にチャレンジだな。三島が市ヶ谷で自決する前に書き上げた長編小説。楽しみだ♪

 

それにしても、大天才の作家だよなぁ。

 

でも、これだけの天才なのに話すのは苦手。

 

しゃべりが上手い人って、脳の構造がうまくしゃべれるようにできているから、しゃべりが達者なんだよね。

石原慎太郎橋下徹古舘伊知郎島田紳助田中角栄田中眞紀子等々、聴衆を惹きつけるしゃべりができる人は、生まれつき脳がそのようにできているって脳科学者が言っていた。

この6人が三島以上に教養があるかと言ったらないからね。

すごく頭が良いのにしゃべるのが苦手。

超マイペースで常人の二倍くらいゆっくりしゃべるのに、文章を書かせるとものすごい論評を書く人がいたり。

頭の回転が早くて【頭良いなぁ~】と思っていた人の文章を見た時【ありゃりゃりゃ?】みたいな人もいるし。

頭が良すぎて、言ってることも、書いてることも分からない人もいるし。

もちろん、そのまま話も文章もバカのままの人もいたり。

話も文章も賢いままの人もいたり。

とにかく、いろんな人がいるよねぇ。